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新しい利休像を示した直木賞受賞小説の完全映画化
利休……彼こそは「茶聖」とまで称えられた至高の芸術家。「美」に対する見識や独創性の数々には、かの織田信長や豊臣秀吉でさえ一目を置いたという。もしも、その崇高なまでに研ぎ澄まされた美意識が、若い頃に体験した情熱的な恋に始まっているとしたら……?大胆な仮説のもとに希代の茶人の出発点を取り上げ、第140回直木賞を受賞した山本兼一の歴史小説『利休にたずねよ』(PHP文芸文庫)。それは、まさに美の本質に迫る極上のミステリーにして、心を焦がす究極のラブストーリー。もはや歴史小説の枠を超えた傑作が今、長編映画として新たな生命を宿す。
歌舞伎俳優・市川海老蔵が挑む東映正月大作
主演は、原作者自ら「利休役にはこの人しか考えられない」と熱いラブコールを送った市川海老蔵。撮影前から入念なリサーチを重ね、撮影時には演じる年齢、状況ごとに所作に細かい変化を加えるなど、離れ業ともいえる演技の数々を披露。狂気にも似た利休の美への執着を、10代から70代間際にまで及ぶ幅広い年代の中に鋭く美しく刻みこんだ。400年の伝統芸能を受け継ぐ歌舞伎界の俳優・市川海老蔵が、茶の湯を芸道にまで高めた茶人・千利休に魂を込める。今まで全く見たことのない斬新な利休像が誕生する。
【利休の正体】をあぶり出す、絢爛豪華な共演陣
利休を陰ながら見守る妻・宗恩を演じるのは、『嫌われ松子の一生』『阪急電車 片道15分の奇跡』などで数々の映画賞に輝く中谷美紀。利休を語る上で欠くことのできない最重要人物・豊臣秀吉に、主演作『ハゲタカ』をはじめ『ヘルタースケルター』など話題作への出演が絶えない実力派・大森南朋。利休の器量を見初め、政治の表舞台へといざなう戦国の覇者・織田信長には、『十三人の刺客』『あしたのジョー』での圧倒的な存在感が記憶に新しい伊勢谷友介。ほかにも豪華な出演陣が華を添え、個性豊かな人間模様が「人間・利休」の正体をあぶり出していく。
最高のスタッフによる最上級のエンタテインメント
監督は『化粧師 kewaishi』『精霊流し』などで人間の心のひだを繊細に描き、大作『火天の城』では山本文学をダイナミックに映像化した田中光敏。脚本をNHK大河ドラマ『天地人』の小松江里子、音楽を『レッドクリフPartⅠ・Ⅱ』の岩代太郎がそれぞれ担当。また美術には『男たちの大和/YAMATO』『大奥』など数々の歴史映画で観客を魅了してきた東映京都撮影所美術チームが総力を結集し、史実に名高い黄金の茶室、待庵、北野大茶会を再現。極上の茶のごとき「最上級のエンタテインメント」をここに誕生させた。
“本物”の名器・所作が究極の美=「利休型」を完全再現
撮影は2012年11月5日に東映京都撮影所にて開始され、12月23日にクランクアップ。スタジオセット撮影のほか、三井寺(みいでら)、大徳寺(だいとくじ)、神護寺(じんごじ)、南禅寺(なんぜんじ)、彦根城(ひこねじょう)といった国宝級の建造物でのロケーションも敢行された。また、撮影に当たっては、利休が実際に使用した「利休所持 万代屋宗安伝来 長次郎作 黒樂茶碗 銘 万代屋黒(りきゅうしょじ もずやそうあんでんらい ちょうじろうさく くろらくちゃわん めい もずやぐろ)」をはじめとする茶の名器を数多く手配し、千利休より受け継がれる茶道の名門・三千家の協力も得て幻の「利休の所作」を再現。本物志向による究極の美「利休型」がシネマスコープ・サイズの巨大スクリーンに甦る。
雷鳴がとどろく雨嵐の早朝、3千もの兵に取り囲まれた利休屋敷。
太閤・豊臣秀吉(大森南朋)の命により、今まさに希代の茶人・千利休(市川海老蔵)は自らの腹に刃を立てようとしていた。
死に向かう夫に対して妻・宗恩(中谷美紀)がたずねる。
「あなた様にはずっと想い人がいらっしゃったのでは…」その言葉が、利休の胸中に秘められた、遠い時代の記憶を蘇らせていく。