Quantcast
Channel: 芸術家く〜まん843
Viewing all articles
Browse latest Browse all 7086

「人生は一に努力、二に努力、三に努力、全部努力」福島孝徳(デューク大学教授)

$
0
0

人呼んで、「神の手を持つ男」——。
世界中の患者さんから絶大な支持を得ているのが脳外科医・福島孝徳氏です。
極めて難易度の高い手術を専門にし、福島氏の手術には、その執刀ぶりを学ぼうと全世界から脳外科医が見学に来るという。
71歳のいまも世界各国を駆け回り、年間600もの手術を果たしている驚異のスーパードクターが語った「人生を成功に導く極意」とは——。


対談のお相手は、福島氏の盟友であり、世界最先端の医療機器を導入し、福島・宮城・青森・東京・神奈川を基盤に16もの病院を経営する南東北グループ総長・渡邉一夫氏です。


福島 

私は若い時からとにかく、日本一、世界一になりたかった。

そのためには普通のことをやっていたらダメなんで、「人の二倍働く」「人の三倍努力する」という方針でやってきました。
普通の人が寝ている間、休んでいる間に差をつけると。

そういう姿勢で若い頃から腕を磨いてきたんですけど、いま71歳になってみると、人生は短い。
私に残された時間はもう少ない。
だから、一刻も無駄にできないんです。


渡邉 
いまは年間どのくらい手術をされているんですか?


福島 
600回ですね。
一番の盛りは三井記念病院にいた43歳の時で、900回はやっていました。

私は人間の年齢には暦の上の年齢と、生理学的な年齢の二つがあると思っているんです。

私が本当に感心するのは、経団連の会長をされていた土光敏夫さん。
80を過ぎても矍鑠(かくしゃく)としていましたよね。
素晴らしい人でした。

で、いま世界でも、例えばモスクワの国立ブルデンコ脳神経センターというところは脳外科だけで2000床もあるんですが、ここの総帥がコノバロフという人で、83歳のいまも毎日手術をしている。


渡邉 
ああ、そうでしたか。それは凄い。


福島 
それからローマ大学のカントーレという教授、彼もいま83ですけど、手術をしています。

私自身、手術に関してはいまだにマスターチャンピオンですよ。
目と手は全然若い人に負けない。
だからあと10年は大丈夫じゃないかなと思っています。

これにはやっぱり天性の才能が少なからずあると思うんですけど、それ以上に膨大な数をやっています。

だから、私はいつも言うんですけどね、人生は一に努力、二に努力、三に努力、全部努力なんですよ。
他の人が信じられないような努力をして、経験を積む。

それから本当はいいコーチがいなきゃいけない。
オリンピック選手を見ていても、皆が類い稀な技量を備えている中でどこに差が生まれるか。
コーチですよ。


渡邉 
なるほど。でも、福島先生にコーチはいないでしょう?


福島 
いや、私は若い頃、ちょっと暇があれば、世界中の名医を訪ねて回りましたから。

いまでもそうです。毎日勉強しています。
あの天才ミケランジェロが残した有名な言葉が「ラーニングアゲイン」。
ルネサンス期に世界一の絵と彫刻を生み出していても、いまだに日に日に勉強しています、と言った。

だから日に日に勉強して、日に日に努力して、渡邉先生も同じだと思うんだけど、毎日仕事しています。
休んでいられないですよ。

私は土日と祭日も一切休まない。
夏休み、冬休み、一切取らない。
毎日働くのが趣味なんです。


『致知』2014年2月号より

Viewing all articles
Browse latest Browse all 7086

Trending Articles