主人公・鞍馬六郎が独自の迷推理を繰り広げ犯人が明らかになっており事件解決間違いない状況下でCMの時間を除いた33分間その事件を持たせるという作品。ジャンルは「脱力系サスペンス」と定義している。
作品の流れの大半は「事件が発生 → 状況から犯人がすぐに判明 → 六郎だけが疑問をもち33分間捜査を行う(この間、他の事件関係者が次々に容疑者に仕立てあげられる)→ しかし結局のところ犯人は最初に判明した通りの人物であった」という形を取る事が多い。まれにこの構成を逆手にとって真犯人が別に存在するケースがあるがその場合でも犯行の動機や手段については的を外している(たいがい実際は六郎が考えたものより至極単純なものである)。
従来の推理ドラマの体裁を取りつつも犯人が明らかな中で六郎の思いつきと妄想が入り混じった傍迷惑な推理とそこから意外な真実が炙り出されるのがこのドラマの特徴である。
作品と基礎となる「33分の放送時間を持たせる」という点を含めてメタフィクション要素が多数盛り込まれている。 またフジテレビ系列の他の番組のセットやキャラクター(ガチャピン、ムック、めざましくん)をそのまま登場させている。
毎回六郎の移動シーンには非常にチープなCG合成がギャグとして使われているが番組エンディングのテロップでは「高度な合成によるもので絶対に真似をしないで下さい」と注釈が入る。ただし第9.5話(『帰ってくるのか!? 33分探偵』)では六郎の通う小学校が事件の舞台であったため移動シーンはない。
六郎が犯人に見立てた容疑者の犯行時刻の回想シーンでは毎回犯人役の人物(時には周りの人物)は豹変し奇怪な動きをするように描かれており六郎の理不尽な推理と併せてギャグを作っている。
エンドロール直前静止画のように演者が静止し次回予告→CM→監督のOKがあった直後の数秒を挿入している。 これは「自分ストップモーション」と呼ばれスタッフロールが流れている間の背景を「直前のシーンの静止画」にする海外TVドラマの表現法を「静止画のうちどこかが動き続けている」と言うギャグでパロディ化した『フライング・コップ』の更にパロディである。しかし当番組の場合は鼻をこよりでくすぐる・熱々のたこ焼きを口に入れたまま等とても静止していられない状態をこらえて静止していると言う、メタ色を強めた演出になっている。しかしストップモーションをやっているのは大抵、六郎・リカコ・大田原ぐらいで茂木やその他のエキストラ(9.5話など)はEDに入っても、動いている。
主要登場人物
鞍馬六郎 - 堂本剛/少年期:前田旺志郎(まえだまえだ)
「鞍馬六郎探偵事務所」探偵。推理小説に造詣が深く趣味は名探偵フィギュア集め。放送時間33分までもたせる事を独自の使命だと思っているところから別名「33分探偵」。事件が終わろうとすると必ず「果たしてそうでしょうか?」または「この事件終わらせて良いんですか?」と割って入り「この簡単な事件、俺が33分もたせてやる!」と宣言してそこから豊かな想像力で事件に関わっている人達を振り回す。有名推理小説を多数読んでいるらしいが近代の推理ドラマもよく見るらしく他局のネタでも容赦なくパロディし最終回では「じっちゃんの名にかけて!!」と言ったことがある。「なるほど」を「なるほろ」と言うのが口癖。殺人事件を扱う割には血が苦手でまともに死体を見られない。推理を展開している際自身の推論をリカコや他の人にツッコまれたり否定されたりすると激しく顔を歪ませ睨みつける。また妄想だけで推理を行うため肝心な部分を「なんやかんや」とあやふやに誤魔化す。そこを突かれると「なんやかんやはなんやかんやです!」と開き直るのがお約束。
的外れな推理によって犯人扱いしてしまった人には「間違えてすみませんでした」と書かれた菓子折りを送る律儀な一面も持つ。時として最初に犯人とされた人物とは別の真犯人を暴くことがある。しかし犯人は突き止めるもののその推理した犯行の手段や動機自体は的を射ていない事が多い。幽霊やUFOの存在を信じており幽霊を怖がっている。関西出身でリラックスしている時には関西弁が出てくる。アイのプレゼントを喜んで受け取るも持ち帰った事は一度も無い。小学3年生の時に東京の小学校に転校。学校に父親からの誕生日プレゼントで貰ったシャーロック・ホームズのフィギュアを持ってきていた。頭は良かったようで知識は豊富。この時は「この簡単な事件俺が給食までもたせてやる!」と宣言。大人の時と全く変わらない豊かな想像力で教師やクラスメートを振り回し肝心な所では開き直るパターンを持つ。しかしそれでもどこか憎めないところを持っていたせいか友達の数は多かった。また当時から「なるほろ」と言っていた。
武藤リカコ - 水川あさみ
「鞍馬六郎探偵事務所」勤務の助手。主要人物の中では比較的まともな常識人で迷推理を展開する六郎のツッコミ役。大田原警部のことを「あいつ」や「ハゲ」と呼ばわりするなどやや口が悪い。年齢を3歳サバ読みしているらしく時々そのことを突っ込まれる(オフィシャル設定での年齢は25歳)。六郎の迷推理には厳しくツッコミを入れるも想いを寄せる面もあり推理の調査を手伝う。非常にテンションが高くまたミーハーで事件現場でははしゃいでおりレジャーや聞き込みがそのままお喋りになって楽しんでいる事が多い。六郎と同じく関西出身で時々関西弁が出てくる。また泣き方が奇妙。口癖は「マジョるか」。六郎曰く「基本、男よりおいしいもの」を選ぶらしい。
大田原警部 - 高橋克実
茂木刑事の上司。独身。ハードボイルドを愛し悪を憎む鬼刑事で事件に関しては六郎に何故か全幅の信頼を置いている。六郎のボケ的な推理に乗っかり更なるボケを披露する事も多い。また六郎のフェイントに乗り無関係な人間に対して思いつめた表情で「逮捕だ…!」と手錠を出すのもお約束。六郎を「探偵」と呼び探偵事務所に来る時は必ず「おい探偵! 事件だ!」と言って玄関扉を勢いよく開ける。この時事務所に来ていたおかしな訪問者を突き飛ばすのも毎回のパターンになっている。寝つきが良いらしいがそれ位しか女性に誇れる点が無い。
茂木(もてぎ)刑事 - 戸次重幸(TEAM NACS)
大田原警部の部下。無駄に熱い典型的過ぎる熱血刑事。大田原を尊敬しており大田原が信頼している六郎も信頼している。第1話の冒頭で自身の結婚式のシーンが描かれているが相手は万引きで補導した女性で取り調べている内に恋が芽生えたという。口より先に手が出るタイプ。聞き込みをする展開になった時や反省する時はなぜかいつも全力で走っている。毎回物語の中盤で事件に関して重要な証言を持っている人物に接触するが何故か奇怪な人物ばかりで相手の態度によってはキレて掴みかかる事もある。
鑑識官 - 佐藤二朗
鑑識の情報を六郎に提供している。米村でんじろうを敬愛しているとされるがいつも実験と称した助手へのセクハラばかりしている変人。鑑識官としての腕は確かだが情報を貰いに来た六郎に対してイタズラすることを好む。
アイ - 野波麻帆
鑑識官の助手。いつもセクハラまがいの奇妙な実験に付き合わされている。六郎に強い好意を抱いており手作りパン焼き機やマフラー等毎回ピントのずれたプレゼントを六郎に渡す天然系。鑑識課のアイドル的存在。
情報屋 - 小島よしお
漫画朗読屋やカラオケBOX店員・スニーカーショップ等の様々なバイトをしており普段はバイト先に身を置いている。事件に関する情報提供料は一件につき千円だが情報自体の精度はかなり高い。ただ重要なところで提供を止めてしまうことが多く大抵は千円以上払う事になる。胴体着陸・ヘルニアの手術等事件以外の分野にも精通しておりその道に携わる人から頼られている(その分野の情報も千円で提供している)。『帰ってこさせられた~』ではオードリーナイツ等の人気芸人に情報屋役を取られ六郎からも「旬だからな…」と冷たくあしらわれる。しかしそんな情報通な彼もダンディ坂野の「崖っぷちからの脱出方法」だけは答えられなかった。
氏家警部 - 沢村一樹
『帰ってこさせられた~』で登場。関西を舞台にした11、12話で大田原と同じ役回りを担っている。京都府警の刑事で大田原のかつての部下。京都でお見合いをするリカコと六郎を出迎え京都での事件を六郎と共に解決するが大阪で知り合いが事件に巻き込まれたため六郎と共に大阪へ飛び立った。本人が「京都府警一の理論派と呼ばれている」と言うように理論的な解釈を好む理屈屋。理論派のように振舞うが六郎の推理には何だかんだ言いながらも結局は乗っかってしまう。二枚目な容姿とは裏腹に屁がよく出る。
第3話あらすじ
赤梅女学院の科学教師・田所が謎の死を遂げる事件が発生。六郎も捜査に加わるが保健教師の手島が自首し手島が注射したカニエキスによるアナフィラキシーショックが死因であることが判明する。どうみても犯人の名前を書いているダイイング・メッセージもある中六郎は別の真犯人が別のトリックによって田所を殺したと考えていた。
田所 - 古舘寛治
科学担当の教師。カニアレルギーであり今回の死因に繋がった。がさつながらも生徒からの人気は高い。
手島 - 松田沙紀
保健担当の教師。田所のセクハラの軽い仕返しでカニエキスを注射してしまう。女生徒受けは良くない。
海東 - マギー
国語担当の教師。毎回保健室に通いつめており手島に好意があると思われたが…。
小山 - 池田成志
音楽担当の教師。
木下 - 江良潤
校務員。事件に関することで何か知っている。
探偵事務所に「富士で染み込んでハワイで沸いた水」を売りにきた男 - ジリ・ヴァンソン
赤梅女学院生徒 - 波瑠
しゃべり方や態度が何かと鼻に付く感じの女子高生。
赤梅女学院女教師 - 鈴木奈都(麦芽)
学園ドラマ『ごくせん』の熱血女性教師のように、生徒に説教していた。
今回は推理が冴えた。シゲ言い過ぎだろ!面白い。