700万人台の前半まで業績が落ち込んでいたUSJを奇跡のV字回復に導いた辣腕マーケター森岡毅氏による一冊。
USJはオープン当初来場者数1000万人を突破していたにもかかわらずその後低迷が続き700万人台前半まで業績が悪化して2004年には事実上一度破綻。
救ったのがUSJの代表取締役CEOグ
レン・ガンペルでCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)に抜擢したのが著者。
USJ復活のためにどんな施策を行ったかそのマーケティングの詳細がわかる一冊。
まとめ
この日本において、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが、どうしてディズニーランドと差別化しないといけないのでしょうか?そもそも、USJとTDR(東京ディズニーリゾート)の間には激しい集客競合がほとんどないのです(中略)その理由は、東京と大阪の間には交通費という「3万円の川」が流れているからです。両方
のマーケットは分断されているのです。その川を渡って向こう岸に行く人の割合は、USJ側から見ると実は全集客の1割にも満たないのです(中略)業界のガリバーであるディズニーランドと差別化するために、USJが関西マーケットで敢えてニッチ戦略を選ぶとしたら、それは愚の骨頂だとは思いませんか?
ビジネスは本質的な目的を正しく見据えることが大切です。戦略や戦術は目的次第で自由自在であるべきと私は信じています。
1年で何かのエンターテイメントを10回消費するとしたら、9回は映画以外のことを日本人はやっている。
短期間で自粛ムードを吹き飛ばすには「無料」という強さが必要だと思っていたので、頑としてキッズフリーにこだわりました。
私はアイデアを考えるときは、まず目的を徹底的に吟味して定め、その次に相手が満たすべき「必要条件」を一番時間をかけて考えます。そしてその必要条件を組み合わせ、より条件を絞り込んで、自分が必死に思いつくべきアイデアの輪郭をできるだけ明確に絞り込んでいきます。具体的なアイデアを考え始めるのはいつも最後の最後。
価値を生み出すアイデアの切り口は、経験上ほとんどの場合は「消費者理解」の中に埋まっています。
悪魔や魔女や死体やゾンビやガイコツといったダークサイドの仮装がたくさん登場します。ならば日本のハロウィーンも、清く正しい自分の裏側、つまり「ダークサイドを楽しむ非日常」でのストレス発散ということになれば、もっとユニークで刺激的なシーズンになるのでは、と私は思ったのです。
マーケティングをやる人間は、何でも自分自身でやってみることを習慣にすべきです。
かくして新ファミリーエリア「ユニバーサル・ワンダーランド」の開発・建設計画は立案されたのでした。身長制限は最小限にして、小さな子供ができるだけ全ての体験ができるように「機能は子供に合わせ、デザインは母親に合わせ」、徹底的に体験価値にこだわった。