乾唐軒
中国からは上海の陶磁器メーカー「乾唐軒(ACERA)」が出展。中国らしい装飾が施された茶器類は、まさに中国茶文化という生活様式とともに提案される意欲的なものだ。
日本からの出展
日本からは、同じ愛媛県今治市を地盤とする今治タオルとORIMの2社の出展が目を引いた。すでに世界中のタオルメーカーでひしめく市場に、機能性でアピールするのが日本メーカーならではといったところか。
今治タオル
ORIM
展示構成
会場内は、講演などが行われるステージや出版物のコーナー、新進デザイナーのブース、飲食スペースを除くと、出展者の国・地域属性や、キッチン・寝具・リビングといった用途属性などに分かれることなく、各ブースがランダムに配置されている。属性に分かれていないことによって隣接する他のブースの世界観に影響されるといったことがなく、むしろ製品ひとつひとつのデザインを中立的な感覚で見て回れるように思えた。
APAISER BATHWARE(オーストラリア)のオーストラリア人画家の絵が描かれたバスタブ
高級ブランドFENDIのインテリアラインは部屋全体を提案する
オランダ「DK HOME」の商業用ベンチはどことなくオリエンタルテイスト
anne clair petit(フランス)からは、あみぐるみ製品が多数出展
アジア内外のインテリア系雑誌のブースも設けられている
10,340人という登録訪問者数は、主催者側が見込んだ22,000人の半分にも満たないものではあるが、東南アジアのデザイナーやメーカーが国際的な場に出展するきっかけになったことや、洋の東西を橋渡しする人的な交流を見るに、訪問者数で考える以上の成果があったのではないかという印象を持った。
井原 鉄吾朗
大学卒業後、バンダイナムコグループを経て(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントに入社。デザイン、著作権業務に携わる他、クール・ジャパン関連業務を担当。東日本大震災を機に本格的に写真を撮りはじめ、写真を通じて日本のクリエイティブを伝える活動を展開している。