2014年3月時点で店舗数112、2013年度の売上高500億円超を誇るスーパー「成城石井」の秘密に迫る。
ベストセラー連発ブックライターが取材してまとめたものでなぜ今「成城石井」が独り勝ちしているのか?その理由を徹底分析。
他にない品揃え、徹底的にこだわったクオリティ、週単位での品揃え管理し、食のトレンド、頻繁に新しいメニューを投入する、多様化、豊かさが求められている時代にあって成城石井のやり方は時代を掴んでいると思う一冊。
まとめ
直輸入品の多さは、成城石井が貿易会社を持っていることが大きい。まだ一店舗だった時代から、第三者に任せず、バイヤーが直に世界の商品を探し出し、買い付けてきた。
輸入商材にオリジナル商品も加わり、全体の三割が、他ではまず買えない商品になっている。この品揃えのユニークさ、しかもそのクオリティの高さが、大きな人気の理由だ。
総菜開発の中心を担うのは、元有名ホテルや有名レストランのプロフェッショナルたち。いってみれば、一流の料理人がスーパーの総菜を作っているのが成城石井なのである。
「だから成城石井では、ワインは『Reefer(リーファー)』コンテナと呼ばれる定温輸送で直輸入することにしました。現地のワイナリーから外気の影響を受けることなく、日本に運ばれてくるようにしたんです。」
◆「基本の四つ」の徹底
・挨拶
・クリンリネス
・欠品防止
・鮮度管理
作りたいものを作るために、効率は悪くとも機械は入れない、ということだ。この仕組みが、頻繁に新しいメニューが出てくる、成城石井の総菜売り場を実現させている。
安かろう、悪かろうに、もう人々は疲れてしまったのでしょうか。
「例えば、春先の人気商品にホワイトアスパラがあります。南米のペルーから一〇〇〇束ずつ空輸されてきますが、旬のタイミングは、一年で二週間か三週間しかないんですね。これをずらしてしまうと、お客様にご提案できないわけです。だから、その週のおすすめとして販売してほしい、と店舗に指示していきます。」
「食のトレンドの変化は本当に早いですから、月間では遅いんです。お客様のニーズに応えきれない。ですから、すべて週に落とし込んで五二週で展開するようにしています。一一二店舗を短時間で水平に意思統一させられる、ひとつの方法なんです。」
現在、一一二店舗を展開する成城石井だが、この店舗の拡大において、間違いなく大きな転機になった出来事がある。それが、エキナカへの出店だ。エキナカもしくはそれに準ずる店舗の数は今、実に半分以上の五六店舗になる。