人間関係は一つの行と考えていいでしょう。
人間関係の苦しみの真っ最中には大きな苦痛を伴いますが、心のすれ違いがなくなって、お互いがわかり合えると、嵐が過ぎ去った後のように心が穏やかになります。
(中略)
人間には四種類の生き方しかないということを、お釈迦様が説いています。
一つ目は光から光の世界で生きていく人間、
二つ目は光から闇の世界へ生きていく人間、
三つ目は闇から闇の世界へ生きていく人間、
そして四つ目は闇を転じて光のある世界へ生きていく人間です。
闇というのは、私たちの心のあらゆるとらわれを指すわけですが、これには際限がありません。
この闇の部分に気づかないまま、他人に対して「なぜ、どうして」とばかりとらわれていると、自分もいつか闇の世界に落ちてしまいます。
明るく穏やかな光ある世界へと導かれるためには、相手のマイナス的なところにとらわれず、割り切って、忘れて、捨てて、許すことが大切です。
2500年も前にお釈迦様が説かれた教えは、今の私たちにも共通します。
ということは、人間がこの星に誕生してからずっと、心穏やかに生きていくためにはそれしか方法がないということなのでしょう。
「毎日が小さな修行」(塩沼亮潤著)より