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『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』(Pirates of the Caribbean: At World's End)は、2007年のアメリカ映画。『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ第3作。「At World's End」は「世界の果てにて」の意。
2003年公開の『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』のヒットにより制作された続編2本のうちの後編となる。この2本は同時に撮影されたが、前編にあたる2作目の『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』公開後にも追加撮影が行われた。
2007年5月19日にアトラクション「カリブの海賊」があるアメリカのディズニーランドにてプレミア上映後、5月23日から5月25日にかけて全世界同時公開された。日本では5月25日の金曜日に公開された。3日間の興行収入は、日本記録を塗り替え19億4000万余り、観客動員148万人である。また、スクリーンも史上最多の全国885スクリーンで公開された。
興行ランキングは3週連続TOP1。興行収入も公開わずか17日で60億を突破。これは製作したディズニー、配給元のブエナビスタジャパンの記録でTOP1であり、史上最速である。ちなみに2位は『デッドマンズ・チェスト』の22日。
新たなキャストとしてチョウ・ユンファが選ばれし9人の「伝説の海賊」の1人である中国人海賊の長、サオ・フェン(実際に清朝に実在した海賊・張保仔がモデルと言われる)として出演する。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズは本作を以て終了する3部作構成の予定であったが、ジョニー・デップの嘆願もあり、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』が製作された。ただし、ウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)やエリザベス・スワン(キーラ・ナイトレイ)は出演しない。
今や海賊たちの自由な時代は終焉を迎えようとしていた。ベケット卿はジェームズ・ノリントンが持ち帰ったデイヴィ・ジョーンズの心臓を入手し、彼とフライング・ダッチマン号を操り、世界中の海賊達を葬っていた。捕えられた人々は次々と処刑されていったが、その中で処刑台に立った1人の少年が銀貨を手にしながらある歌を歌った。その歌はやがて処刑場にいた死刑囚全員が合唱するまでに広がる。それは海賊たちに決起の時を伝える招集の歌だった。
海賊たちが生き残るには選ばれし9人の「伝説の海賊」を招集し、一致団結して立ち向かうしか方法がなかった。しかし、その伝説の海賊の1人は前作でクラーケンに飲み込まれてしまったキャプテン・ジャック・スパロウだった。
エリザベスやウィル、ブラック・パール号の乗組員たちは、ティア・ダルマの力で蘇ったキャプテン・バルボッサを船長に迎え、シンガポール海賊の長であるサオ・フェンから世界の果てへの海図を受け取り、ジャックの救出に向かうのだった。
キャスト
役名 俳優 日本語吹替版声優
ジャック・スパロウ ジョニー・デップ 平田広明
ウィル・ターナー オーランド・ブルーム 平川大輔
エリザベス・スワン キーラ・ナイトレイ 弓場沙織
キャプテン・バルボッサ ジェフリー・ラッシュ 壤晴彦
サオ・フェン チョウ・ユンファ 磯部勉
デイヴィ・ジョーンズ ビル・ナイ 大塚芳忠
ジェームズ・ノリントン ジャック・ダヴェンポート 森田順平
ビル・ターナー ステラン・スカルスガルド 柴田秀勝
ベケット卿 トム・ホランダー 横島亘
ウェザビー・スワン ジョナサン・プライス 村松康雄
ティア・ダルマ ナオミ・ハリス 高乃麗
ギブス ケヴィン・マクナリー 青森伸
ピンテル リー・アレンバーグ 佐々木梅治
ラゲッティ マッケンジー・クルック 高宮俊介
コットン デイヴィッド・ベイリー
マーティ マーティン・クレッバ うすいたかやす
マーサー デイヴィッド・スコフィールド 佐藤祐四
タイ・フアン レジー・リー
ウィルJr. ドミニク・スコット・ケイ 大久保祥太郎
キャプテン・ティーグ キース・リチャーズ 小林清志
ストーリー
世界の果てで
治安維持を名目としてポート・ロイヤルでは戒厳令が敷かれ、海賊だけでなく、海賊に少しでも関わったことのある者は絞首刑に処す、という布告がなされた。捕えられた人々が次々と処刑される中、突如として歌声が響く。「海賊王と仲間達は…」そう、海賊長達による評議会開催を知らせる「招集の歌」が歌われたのだ。 その頃、ブラックパール号もろともクラーケンに飲み込まれた船長ジャック・スパロウは、デイヴィ・ジョーンズの墓場(デイヴィ・ジョーンズ・ロッカー)に送られ、大量のジャック・スパロウの幻覚に囲まれて錯乱の日々を送っていた。
ティア・ダルマと「女神カリプソの解放」を契約して復活したヘクター・バルボッサ率いる一行は、選ばれし9人の「伝説の海賊」の1人サオ・フェンから「世界の果てへの地図」を入手し、ジャックを救出すべくシンガポールの港を出港した。一行は、極寒と戦い、最後には船を失いながらも世界の果てにあるデイヴィ・ジョーンズ・ロッカーに漂着した。ディア・ダルマの助けでブラックパールに乗って現れたジャックと再会、デイヴィ・ジョーンズ・ロッカーから帰還する方法を解きあかす。しかし、その途上、あの世へと流れて行くウェザビー・スワンの魂と邂逅する。彼を用無しと見なしたベケットによって処刑されたのだった。悲しみにくれるエリザベス。何とか一行は元の世界へと帰還するものの、それもつかの間、サオ・フェンの裏切りで、ジャック達はばらばらになってしまう。
元の世界では、状況が足早に動いていた。ジェームズ・ノリントンはカトラー・ベケットの部下としてフライング・ダッチマン号の船長になり、心臓を握られたジョーンズもベケットの駒と化していた。クラーケンは見せしめに殺され、海賊も息絶えつつあった。世界は制海権を制したベケットを中心に動き始めていたのである。鍵はジョーンズの心臓。その心臓を突き刺した者はフライング・ダッチマンの船長となり代わり、カリプソの命により海の死者をあの世へ送る役目を永遠に負う。陸に上がれるのは10年に一度だけ。役目を怠れば、ジョーンズのような化け物になってしまう。
評議会
評議会を目指し、海の上では敵味方を構わず駆け引きが繰り返されていた。バルボッサは「カリプソを解き放つ」、ジャックは「心臓を突き刺し永遠の命を手に入れる」、ウィルは「ジョーンズの手下となった父親ビル・ターナーを救う」、ベケットは「安定した通商の妨げになる海賊の撲滅」の目的を胸に抱いて。そんな状況の中、ベケットの命を受けて追ってきたフライング・ダッチマン号の砲撃によってサオ・フェンが命を落とし、同船していたエリザベスが遺言に従い伝説の海賊となる。直後にフライング・ダッチマン号に他の乗組員共々囚われるも、ノリントンが命と引き換えにベケットを裏切って逃亡を手助けし、脱出に成功。「海賊の自由、そして、エリザベス・スワンの父を殺したベケットへの復讐」を胸に誓い、評議会を目指すのである。
時が過ぎ、海賊の拠点である難破船島では、ベケットに対抗する為に9人の伝説の海賊達が評議会を開いていた。バルボッサは「カリプソの解放」を、エリザベスは「ベケットとの決戦」を主張するも意見はまとまらない。「カリプソを解放して味方につけ、ベケットと決戦後に逃走」そう意見をまとめたのはジャックだった。海賊の掟によれば、決戦には海賊王の宣戦布告が必要だとバルボッサは言う。海賊長の1人スリ・スンバジがそれを否定したその時、一発の銃弾がスンバジの部下を撃ち抜いた。部屋の向こうから掟の番人であるキャプテン・ティーグが掟と共に姿を現す。海賊の掟には「海賊王」や「パーレイ」など、海賊の法の全てが記されていた。海賊王を決める投票が行われたが、伝説の海賊達は自身が海賊王になる為にそれぞれ自分に投票した──────エリザベスに投票したジャックを除いて。かくして海賊王はエリザベスに決まり、ベケットとの決戦に挑んだ。
決戦
霧の中からベケット卿率いる大船団が現れた。それを見たジャックは「パーレイ」を口にする。ベケットとの交渉の結果、ジャックは心臓のあるフライング・ダッチマン号にまんまと潜入したが、牢屋に囚われてしまう。バルボッサは予定通りカリプソ解放の儀式を行うが、その時カリプソはウィルからカリプソの封印方法を人間に教えたのがジョーンズである事実を知る。解放した見返りにベケット達への懲罰を求めるバルボッサ達を尻目に、カリプソは罵っただけで、小さな蟹に分裂して海に帰ってしまった。落胆する海賊達を前に海賊王エリザベスは演説を行い、決戦を促した。
ブラックパール号とフライング・ダッチマン号が進みだす。カリプソの仕業で、間の海は大いに荒れ、嵐が発生して大渦を巻く。彼女はどちらの味方でもなかったが、2隻の船だけの決戦場を用意したのだ。そして、決戦の時。大砲と剣の音、そして死にゆく者の悲鳴が辺りに響く。ノリントンに代わってフライング・ダッチマン号の船長になっていたマーサーは戦闘のどさくさに紛れてジョーンズに殺され、ジョーンズは船を取り戻した。ジャックは牢を抜け出し、心臓の入った箱を奪って甲板に上がるもジョーンズと遭遇し、剣を交える。ジャックはジョーンズに箱を一旦奪われたが、空中から放った銃弾により再び取り返した。戦いの中、エリザベスはウィルから突然の婚礼を受け、甲板で結婚の儀を挙げる。立会人は檀上で戦っているバルボッサだった。
しばらくして、エリザベスとウィルはジョーンズとの戦いで窮地に至っていた。駆けつけたジャックは折れた剣を心臓にかざしてジョーンズを制したが、ジョーンズの剣は無残にもウィルを突き刺した。戦いの中で正気に戻ったビルがジョーンズに襲い掛かった時、今度はジョーンズの心臓を折れた剣が突き刺した。剣を握っていたのは、ジャックに手助けされた瀕死のウィルである。ジョーンズは渦に落ちて行く。
大渦に沈み行くフライング・ダッチマン号にウィルを残し、ジャックとエリザベス、猿のジャックは脱出した。ジョーンズを手に入れ、満足したかのように嵐は治まり、穏やかな海を取り戻した。それを合図にベケットの軍艦エンデヴァー号が進みだす。ベケットは弱ったブラックパール号を沈めて海賊達を一気に壊滅に追い込む気らしく、エンデヴァー号の百を超える砲門が一斉に口を開ける。その時、フライング・ダッチマン号が海中から突然姿を現したが、様子がおかしい。幽霊船のような概観は消え、白い船体を浮かべている。船長は─────そう、ウィルである。ウィルはジョーンズの代わりに心臓を取り出されて船長となったのである。ジャックはそれに気付いたが、ベケットは気付いていない。ブラックパール号とフライング・ダッチマン号がエンデヴァー号を挟むように平行して進んで行く。両号の砲門は開かれている。「砲撃せよ!」とのジャックの命令を皮切りに、バルボッサ、エリザベス、ウィルも同じ言葉を叫んでいた。挟み撃ちされた砲弾がエンデヴァー号を粉々にしていく。状況を把握できずに放心のベケットは、いつもの口癖をつぶやき、爆風と共に海中に叩きつけられた。エンデヴァー号は木っ端微塵となり、残った艦隊も散り散りに逃げていった。ジャック達は勝利したのだ。
フロリダへ
夕日がウィルとエリザベスを照らす。ウィルはエリザベスのブーツを脱がし、ひざにキスをした。夕日がもうすぐ沈む。次に陸に上がれるのは10年後だ。ウィルはエリザベスに心臓の入った箱を渡し、エリザベスを深く抱きしめ、役割を果たすべく海へと旅立った。エリザベスは水平線をいつまでも見ていた。
真昼間のトルトゥーガ島の港ではジャックは2人の女を伴い、桟橋を悠々と歩いていった。しかし、桟橋の先で待っていたのはブラックパール号ではなく、小船と遠くへと去りゆくブラックパール号、そして熊の縫いぐるみを片手に抱いて眠りこけるギブスの姿だった。その頃、奪ったブラックパール号で海上に逃れたバルボッサは、部下達に不死身になれる生命の水のありかを示すサオ・フェンの海図を広げたが、真ん中にある肝心の部分は綺麗にくり貫かれていた。ジャックは自分の海賊旗を掲げた小船の上でくり貫いた海図を広げ、生命の水を探しに出航した。手にしたコンパスはラム酒を…いや、フロリダを指していた。
あの場所で
あれから10年の月日が流れ、エリザベスはあの場所で水平線を見つめていた。キャプテンハットを被り、海賊の歌を口ずさむ、今年で10歳になる新しい命と共に。そして、日没とともに水平線に緑色の光が走った…。
Pirates of the Caribbean:
At World's End
監督 ゴア・ヴァービンスキー
脚本 テッド・エリオット
テリー・ロッシオ
製作 ジェリー・ブラッカイマー
製作総指揮 マイク・ステンソン
チャド・オーマン
ブルース・ヘンドリックス
エリック・マクロード
音楽 ハンス・ジマー
撮影 ダリウス・ウォルスキー
編集 クレイグ・ウッド
スティーヴン・E・リフキン
製作会社 ジェリー・ブラッカイマー・フィルムズ
配給 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
公開 2007年5月25日
上映時間 169分
製作国 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費
$332,000,000(約332億円)
興行収入
$960,996,492
$309,420,425
$91,119,039(109億円)
前作 パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
次作 パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉
先週放送の作品が次へ続くみたいな感じだったから鑑賞。作品自体はなるほどねという感じだが、どうしても吹き替えが・・・やはり字幕がいい。
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