愚かなる
吾れのことをも
友とめづ人は
わがとも友(ども)と
吾れをも
友とめづ人は
わがとも友(ども)と
めでよ人々 吾れをも
友とめづ人は
わがとも友(ども)と
めでよ人々 燃ゆ
大河ドラマ「花燃ゆ」テーマ音楽につけられたこの歌詞は、吉田松陰がその死の直前に書き残した和歌の一つ「愚かなる吾れをも友とめづ人はわがとも友(ども)とめでよ人々」を基に作り上げたオリジナルの歌詞です。 松陰は安政6年(1859)、30歳で処刑される直前に、松下村塾の塾生たちに向けて『留魂録』という遺書を残しました。この『留魂録』には、松陰の死生観のほか、塾生たちへの激励の言葉も書き記されています。
今回、歌詞となったこの短歌は『留魂録』の中でも末尾に挙げられた5首のうちの一つで、「愚かな私のことでも、“あれは私の友であった”と思ってくれる人がいるなら、私の友だちにも、私に向けてくれたのと同じような愛情を向けてほしい」という、松陰が“友”と呼んだ松下村塾の門下生たちへの思いが込められた句となっています。松陰の死後、『留魂録』は塾生たちの間で回し読みされ、明治維新の原動力となります。