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Channel: 芸術家く〜まん843
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2013年8月18日映画「ハッシュパピー-バスタブ島の少女-」〜フォルツァ総曲輪 鑑賞

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本年度アカデミー賞 主要4部門ノミネート!世界中から愛され、称賛の嵐を巻き起こした奇跡の映画

http://www.youtube.com/watch?v=fug9-oObAtg&sns=em

2012年1月、インディペンデント映画の祭典、サンダンス映画祭はわずか制作費200万ドル(約1億6千万)、若干29歳の新人監督ベン・ザイトリンが創り上げた一人の少女の物語に瞬く間に虜になった。
6歳の少女ハッシュパピーの目線を通して描かれる創造豊かでファンタジック、それと同時に厳しい現実をも描き出したオリジナリティあふれる本作に観客はすぐさま熱狂し、最高賞であるグランプリと撮影賞に選出された。
そして同年のカンヌ映画祭でも、カメラドール(新人賞)など4冠に輝く偉業を達成。更に続く世界各国の映画祭でもあらゆる賞を受賞し、遂に本年度アカデミー賞でも主要4部門にノミネートされるという快挙を成し遂げた。今や世界中が注目するシンデレラ・ムービーがいよいよ日本にやって来る。

無名の新人監督と4,000人の中から選ばれた6歳の少女が・・・

主人公ハッシュパピーには1年以上、延べ4,000人のオーディションを経て見出された少女、クヮヴェンジャネ・ウォレス。趣味は読書と歌といういたって普通の小学生。しかし監督曰く「彼女を見た時、小さな自然児というだけでなくその眼は生命力に溢れ大胆不敵な戦士のようだった。」と言わしめるほど、神がかり的な演技を見せている。また父親役のドワイト・ヘンリーはパン屋を営む5児の父。オーディションでは感情的な脆さと独特の存在感がプロの俳優を凌ぎ大抜擢されることとなった。

この世界は、あたしが守る

長々と伸びる堤防のそば、まるで世界から忘れ去られたような閉鎖的な河川近くのコミュニティー、通称”バスタブ”。そこに住む6歳のハッシュパピーは、孤児になる危機に瀕していた。大好きな母親はいなくなって久しく、父親のウィンクは、酔ってはバカ騒ぎにうつつを抜かす荒くれ者だ。ハッシュパピーは、多くの動物たちと、この世間から孤立した居住区で勝手気ままに過ごしていた。そして彼女は「この自然界は繊細な仕組みを持ちながら、命を持ち、呼吸をし、息吹いている。そして宇宙にあるすべてのものがうまく収まっているのだ」と信じていた。
“バスタブ”に暮らす仲間たちとの生活は活気にあふれ、毎日がお祭り騒ぎだった。
そして子供たちは自然淘汰の仕組みや地球の温暖化、さらに生態系の変化によって、やがて“バスタブ”にも存続の危機が迫っていることや、生き残るために強くなれと教えられていた。
そんなある日、ハッシュパピーの小さな世界にも現実が襲いかかった。百年に一度の大嵐によって”バスタブ”は壊滅し、すべてが水浸しになってしまった。更にウィンクがどうやら重い病にかかっていることをハッシュパピーは感じていた。
何とか生き残ったウィンクや仲間たちは水を流し込んでいる堤防をダイナマイトで決壊させて“バスタブ”から水を排出させようという愚かな作戦を実行する。結果は無残なものだった。水が引いた“バスタブ”はどろどろの焦土と化してしまい、それまで植物や動物であふれかえっていた土地は死に絶えていた。
それを目の当たりにしたハッシュパピーは自分が大切にしてきた自然界の秩序が崩壊に向かい、有史以前の獰猛な野獣たちが氷河の墓場から目覚め、大地を横切って全てを踏み潰しにやってくると恐れていた。
一方、彼らの存在に気付いた政府は、“バスタブ”を強制退去区域に指定し、住民たちを難民収容所の病院に収容する。そして収容先の病院でハッシュパピーはウィンクから真実を告げられる。「自分は死ぬのだ」と・・・。その時、初めて自分の父親が無敵のスーパーマンではなかったことに気付く。そしてウィンクは「自分を家に連れて行ってくれ」と仲間に頼み、病院から抜け出した。
どんどん弱っていくウィンクを見ていられないハッシュパピーは、友人たちと母親がいると信じている遠くにぼんやりと光る場所へと海を泳いで向かおうとする。ところが途中、謎の船に彼女たちは拾い上げられ、海辺でひっそりと営業するナイトクラブに連れて行かれる。店内のどこか幻想的な様子にうつろになっていると、キッチンから出てきた一人の娼婦が彼女を見つめた。そしてウィンクから聞かされていた母親の得意料理“ワニのから揚げ”を作ってくれた。抱きしめてダンスをする二人。ハッシュパピーはずっと思い焦がれていた愛情を感じる。しかし、ハッシュパピーはこの至福の時間を振り払って我に返った。手遅れになる前にウィンクの元に、そしてバスタブにいる仲間たちの元に帰らなければいけないということを。迫りくる野獣たちから守るために。

|ハッシュパピー役|クヮヴェンジャネ・ウォレス
2003年8月28日、ルイジアナ州ホーマで生まれる。現在、ホンジュラス小学校の3年生。両親と2人の兄弟がいる。趣味は読書、歌、ダンスに演技、そしてiPodを聴くことやニンテンドーDSで遊ぶこと。好きなスポーツはバスケットボール、バレーボール、そしてチアリーディング。好きな食べ物はチキンアルフレッドの炒め物。アカデミー賞史上最年少で主演女優賞ノミネートとなったクヮヴェンジャネに「ノミネートのお祝いは?」と尋ねると「ピザとチキンとワッフル!あとは、内緒!」とのこと。アカデミー賞のほかにも、ナショナル・ボード・オブ・レビュー、ニューヨーク・オンライン映画批評家協会賞、ワシントンDC映画批評家協会賞などでも新人賞を受賞。

|ウィンク役|ドワイト・ヘンリー
1953年3月13日、テネシー州スィートウォーターで生まれる。5人の子供達とともにニューオリンズに在住。父親はヴィクター・アーサー・ヘンリー博士、母親はエトナ・ヘンリー。15年間オーナーを務めたベーカリーカフェを経て、現在はニューオリンズにある「バターミルク・ドロップ・ベーカリー&デリ」のオーナーを務める。趣味は料理とパン作りとスポーツ、そして現在は演技である。本作でロサンゼルス映画批評家協会賞で助演男優賞を受賞。

|監督・共同脚本・作曲|ベン・ザイトリン
1982年10月14日、ニューヨークに生まれる。映画監督以外にも作曲家やアニメーターとしても活躍。クリエーター集団“コート13”の創立メンバーの1人である。彼が受賞した短編映画には“Egg”、“Origins of Electricity”、“I Get Wet”、“Glory at Sea”などがある。長編デビュー作である本作で、サンダンス映画祭グランプリを受賞、カンヌ国際映画でカメラ・ドールを受賞という快挙を成し遂げた。そして、本年度アカデミー賞において、監督賞や作品賞を含む4部門でノミネートされている。多くの野生動物と一緒にルイジアナ州ニューオリンズで暮らしている。

いろんなところにことを経験して、可愛くも逞しく成長していく少女の姿、それを取り巻く周りの環境や人々・・・すごく丁寧に描かれていて素敵な作品。

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