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Channel: 芸術家く〜まん843
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2013年12月2日放送ららら♬クラシック「響け!民衆の魂」鑑賞

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「展覧会の絵」はかつては忘れられた曲だった。
名曲に込められた熱い思いとは?

忘れられた原石

オーケストラのサウンドでよく知られるこの曲はアレンジされたもの。もともとはピアノ曲でした。今から140年前、ロシアの作曲家ムソルグスキーがとある展覧会を訪れ、そこで刺激を受け作曲。絵をもとに書かれた10曲が集まった組曲です。しかし、作曲したムソルグスキーはこの曲を発表しませんでした。そして、作曲からおよそ50年。1922年オーケストラの魔術師・ラヴェルがオーケストラに編曲。世界的に知られる曲となっていくのです。そして、ジャンルを越えロックやポップスにもアレンジされ、その数は100を超えていると言われています。忘れられた原石がさまざまな人によって磨かれ、輝きを増した曲。それが「展覧会の絵」なのです。

民衆の中へ

ロシアの大地主の息子として生まれたムソルグスキー。田園風景の中で働く農民を目にし、民謡や民話を聞いて育ちました。士官学校へ進み、青年将校となりますが、音楽だけに生きたいと軍隊をやめます。当時のロシアは、圧政に苦しむ農民たちが貧困にあえいでいました。そんな中、知識人たちは、民衆の生活の中に芸術を求めるようになりました。やがてムソルグスキーも、「ロシアの民衆を音楽で描きたい」と強く思うようになります。そして訪れた展覧会にインスピレーションを得て、ロシアの魂、民衆の姿が描かれた組曲「展覧会の絵」を完成させたのです。

ロシアの魂ここに

「展覧会の絵」にはロシアの民衆を描くために、さまざまなロシア的な要素が盛り込まれています。
「ロシア民謡」
ロシアの人なら誰でも知っている民謡「栄光あれ」を引用
「ロシア民謡の合唱法」
ロシア民謡の独特の合唱法、ソロが歌い、同じメロディーを合唱が歌うというスタイルを、曲の始まりに使用。
「民衆の魂」
ロシア正教会の鐘のさまざまな表情を、ピアノで表現。

ゲスト

デーモン閣下
(アーティスト)

楽曲情報

「展覧会の絵」から
「プロムナード」
「キエフの大きな門」
ムソルグスキー
ボリス・ベレゾフスキー(ピアノ)

■オープニング・テーマ
組曲「ホルベアの時代から」から
「前奏曲」
グリーグ作曲/カラヤン指揮/
演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
■オープニング・トークで流れる曲
歌劇「ジャンニ・スキッキ」から
「わたしのおとうさん」
プッチーニ作曲/演奏:クラッツ・ブラザーズ&キューバン・パーカッション
■エンディング・トークで流れる曲
ハープ協奏曲 変ロ長調 作品4第6
ヘンデル作曲/トイペル編曲/
演奏:ザ・スウィングル・シンガーズ

こんないい楽曲が忘れ去られてたなんて信じられない。恵まれた家庭に生まれながら、民衆の苦しみを見て民衆のための楽曲を作ろうとしたムソルグスキー。とてもいい楽曲。

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