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Channel: 芸術家く〜まん843
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2013年7月22日ららら♬クラシックラヴェルの傑作「ボレロ」」鑑賞

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ららら♬クラシック「これは実験だ 管弦楽の魔術師といわれたラヴェルの傑作「ボレロ」」

これは実験だ!
管弦楽の魔術師といわれた
ラヴェルの傑作「ボレロ」
「この作品には音楽はない」
彼の言葉の真意に迫る!

⚫音楽のない音楽?

ラヴェルが1928年にバレエのために作った「ボレロ」。1984年冬のサラエボオリンピックではアイスダンスのフリーの演技でイギリスのペアがこの曲に合わせ華麗な演技を披露し、芸術点で全員が満点をつけた。感動を呼ぶボレロ。しかし、彼はこう発言している。「この作品には音楽がない」。ただ2つの主題をしつこく繰り返しながら、音量と音の厚みを増大させていくだけのシンプルな構成は、ラヴェルにとって実験だった。オペラ座での初演は観衆に衝撃を与え、客席の一人の老婆は今まで聞いたことのない音楽に「異常よ!」と叫んだという。

⚫スペインと工場

「ボレロ」にはラヴェルの両親の影響が色濃くにじみ出ている。自動車や鉄道の開発などに秀でた才能を持っていた機械技師の父と、スペインとフランスの二国にまたがるバスク地方生まれの母を両親にもつラヴェル。母がラヴェルに小さい時からスペイン民謡を聞かせていたことから、ラヴェルはスペインの響きを大切にし、自身の作品に数多く取り入れている。そして、父はラヴェルをよく工場に連れて行った。ラヴェルは工場のベルト装置や警笛の音などに音楽を感じ、それを作品に取り入れようとした。「この作品の作曲を鼓舞したのは工場」と話したラヴェル。彼にとって「ボレロ」とは実験的な作品であると同時に両親の面影を強く映し出す作品でもあった。

⚫ミュージックマジック

管弦楽の魔術師といわれるようにラヴェルは楽器の音色の表現、また様々な楽器の組み合わせから個性的な音色を引き出すことにたぐいまれなる才能を発揮していた。「ボレロ」は曲全体がひとつの調とひとつのクレッシェンドで構成され、最後の最後に突然転調が訪れる。また、曲の中盤にはホルンとピッコロとチェレスタが同じ旋律を異なる調で演奏する。音楽理論上、御法度とされる和音の響きも取り入れるなど、ラヴェルは音楽の新しい可能性を追求し続けた。

ゲスト

八木沼純子
(プロフィギュアスケーター)

楽曲情報

ラヴェル「ボレロ」
東京フィルハーモニー交響楽団(ピアノ)
川瀬賢太郎(指揮)

■オープニング・テーマ
組曲「ホルベアの時代から」から
「前奏曲」
グリーグ作曲/カラヤン指揮/
演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
■オープニング・トークで流れる曲
歌劇「ジャンニ・スキッキ」から
「わたしのおとうさん」
プッチーニ作曲/演奏:クラッツ・ブラザーズ&キューバン・パーカッション
■エンディング・トークで流れる曲
ハープ協奏曲 変ロ長調 作品4第6
ヘンデル作曲/トイペル編曲/
演奏:ザ・スウィングル・シンガーズ


とても好きな楽曲。ドラマチックでバレエでもお馴染みだし、踊る大捜査線でも使われていた楽曲である。音楽がない?限られた音のみで構成されている、転開をしない。公演後、お婆さんに叫ばせたのは狙い。工場の機械的なリズムを再現したかった。まさに、実験的である。一定のリズム、メロディに抑えられていたから、最後爆発的にドラマチックなんだ。やはり素敵な楽曲である。



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