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Channel: 芸術家く〜まん843
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2013年7月28日放送美の壺「東京駅」

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放送美の壺「東京駅」

およそ100年前の姿に甦(よみがえ)った東京駅赤レンガ駅舎。
10月1日にグランドオープンして以来、新たな東京名所になりました。
ここに広がるのは豊かな装飾に彩られた明治・大正の美の世界。
今回はよそでは教えない、美の壺ならではの東京駅の楽しみ方をお伝えします。

壱のツボ よみがえった百年前の威容を楽しむ

今回の保存・復元工事の設計を担当した田原幸夫さんに見どころを教えてもらいます。まずはちょっと遠くから見るべしとのこと・・・
お勧めは新丸の内ビルディング7階のオープンテラス。
ここは赤レンガ駅舎をほぼ真正面から見ることができ、 異例なほどに横長の全体像がよくわかります。
ほかにも周囲の高層ビルには赤レンガ駅舎の鑑賞スポットがあります。
丸の内ビルディング5階のテラスからは右斜めから見ることになり、奥行きのある眺めになります。
さらに来年3月にオープンするJPタワーからの眺めは・・・
ほぼ真横。横長の駅舎の複雑な屋根が凝縮され、迫力ある姿が望めます。
巨大なドームは全長335メートルの両端を固めるため必要不可欠なデザイン。
日本近代建築の父辰野金吾が設計した本来の姿に甦った東京駅。
夜は9時までライトアップされ、また別の表情を見せてくれます。

ひとつ目のツボ、
「よみがえった百年前の威容を楽しむ」

弐のツボ ディテールに匠の技あり

創建時とほぼ同じ技法で復元された赤レンガ駅舎はそのディテールに匠の技が詰まっています。
例えば復元のハイライトの一つ、ドーム内部の彫刻。
創建時とほぼ同じ技法で復元された石こうのレリーフが取り付けられています。
外観も職人さんの手仕事です。薄い銅版を100トン近くも使って複雑な形を雨に耐えるように仕上げました。
銅版でのレリーフも作られました。一人の職人がおよそ一月かけたたき出した複雑な曲線の大きなリボンのレリーフ。
リボンのレリーフはよくめだつ南北ドームの時計の下にとりつけられています。
赤レンガ駅舎の復元工事は、明治・大正の匠の技をよみがえらせることでもありました。

ふたつ目のツボ、
「ディテールに匠の技あり」

参のツボ 駅ナカアートに百年の記憶

この秋東京駅のアートが一つ、よみがえりました。
進駐軍のRTO(Railway Transportation Office=鉄道事務所)を飾っていたレリーフです。
全長50メートルに及ぶ巨大なレリーフは、敗戦したけれどもこの国には多様で力強い文化が各地域にあることを進駐軍に伝えるためのものでした。
そしてこの秋、もう一つこの秋新たに記憶をとどめるための作品が登場しました。
宮城県石巻市雄勝地区の小中学生が地元特産の石、天然スレートに描いた富士山の絵です。
子どもたちのふるさとは去年、東日本大震災で壊滅的な被害を受けました。
東京駅の屋根に使う天然スレートの工場も津波に流されてしまいました。
しかし東京駅へ送り届ける予定だった天然スレートは束になったまま、その場で見つかったのです。
1万5千枚、予定の7割を救いだし、東京駅の中央部の屋根に使うことができました。
この奇跡のスレートを復興の象徴とするために、津波からよみがえったスレートに雄勝の子どもたち150人が絵を描きました。
それが丸の内地下南口改札脇にある雄勝の石絵です。
今度東京駅にいくことがあったら、駅中のアートにもその記憶に耳を傾けてみてください。

3つ目のツボ、
「駅ナカアートに百年の記憶」

出演者

司会
草刈正雄

語り
古野晶子



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